“――ところで、アニソンに参入するアーティストというと、最近はボーカロイドP出身のクリエイターも増えてきていますよね。kzさんやsupercellといった、いわばボカロとニコニコ動画から出てきたアーティストとアニソンの関係についてはどうお考えですか?
実はボーカロイドを含むニコニコ動画のファン層とアニメとは、完全に切り離されていると思っています。アニメを作っている人や、アニソンレーベルの人たちも最近やっと気づき始めたところだと思うんですよね。今まで、ニコニコ動画というプラットフォームに集っているユーザーは大体みんな同じなんだろうという見方をされていて、通常会員だけで2500万人もいるニコ動で知名度があるクリエイターならば、そのままアニメソングに引っ張ってきてもいけるんじゃないかというイメージがあったんです。でもやってみると、数字も伸びない。それどころか批判の方が多かった。
――ネットユーザーとアニメの親和性は、実は高くはないと?
kzやsupercellがアニメ主題歌を作っても、ボカロのPがやっているからということで買っている方はほぼいないと思うんですよね。supercellが1stアルバムとして初音ミクをフィーチャーした作品を出したときも、アニメソングファンはそんなに食指は動いていなかったと思うんです。アニメソングファンにとっては、『化物語』の「君の知らない物語」を手がけたことで、初めてアニメとsupercellの音楽が合致したんじゃないかと思います。kzも『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の主題歌を手がけたことが大きかった。かたやボーカロイド好きにとっては、別にアニソンを手がけても「ああ、アニメの方でも活躍するようになったんだ。よかったね。すごいね」という程度なんですよね。そこのファン層は乖離しているのかなと。
――「初音ミク」という二次元のキャラクターが挟まることで、アニメとボカロは繋がりやすいように見えるが、そうではない……。”
そうなんですよね。二次元絵でニコニコ動画だし、親和性は高いだろうと思ったらそうでもなかった。